ゴミおばさんなんかじゃないわよ

もとはといえば
大きな家に引っ越したとき
実家の母に、
溜め込んだ古着の保管を頼まれたこと

帰るたびに
空にしていったスーツケースいっぱいにして
持って帰った母の古着
今は着れないけれど、
母の歳になったら
きっと着れると信じて積み上げた古着の山
いいんですよ
いいんですよ
高く積み上げれば
いいんですよ
実家の父に
掃除機が壊れたとつぶやいたら
これを持って行けと、クラッシックな掃除機2つ
スーツケースにはいらないといえば
翌日宅急便のお兄さんが来た
炊飯器も燃費の悪そうな電熱器も・・・
乗り捨てようと
古いママチャリに乗っていたら
実家の隣のお婆さんから
外装変速のママチャリ届いた
いいんですよ
いいんですよ
高く積み上げればいいんですよ

娘は言う
友達を呼べない
彼氏を連れてこられない

私が死んだあとの処分が大変だともいう
でも古着を着尽くすまでは死なないから
あんたより先には死なないと言ってやった
息子は
昨年出ていったきり帰ってこない
私は収納が増えたって前向きに考える
いいんですよ
いいんですよ
高く積み上げればいいんですよ
私だけは信じている
収納が少なすぎるって
一度は整理しようと考えて
スーパーからダンボールをもらってきた・・・
箱に詰めれば
もっともっと積み上げられると安心して
古着は更に増えた

なんでこんなに増えるんだって娘は言うけど
私人気者だから、みんながくれる
古着の下には、きっとカビ
古着の下には、仲良しのゴキブリ様も
私だけの天国古着の世界
古着の前で目を閉じると
観覧車がゆっくり回ったり
ジェットコースターに乗ったり
楽しい世界

私のことを他人は言う
ゴミおばさんと

いいんですよ
いいんですよ
何と言われたって
私のものだから

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